それは穏やかな日和の中、突風の如く現れた霧雨魔理沙のもたらした一言が始まりだった。 「香霖堂の蔵を整理してやる!!」 この甘言に森近霖之助がのってしまったから、さあ大変。 魔理沙の新作魔法で仮初の付喪神と化した古道具たちがあっちこっちへ逃げていってしまった。 妙にスッキリした蔵を見ながら、霖之助は溜息をつくことしかできなかった。 「これは些か、面倒なことになったな……」
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